電子レンジ発酵パン

こちらでは電子レンジ発酵パンのレシピ、テレビで放送された内容、Q&A、関連著書一覧など電子レンジ発酵パンに関する情報を掲載しています。

朝日新聞 2002年7月11日より転載 <無断転載禁止>

 

料理研究家村上祥子さんが電子レンジレシピ開発

 

こねたり、発酵させたりの手間を簡単にしたパン作りがブームだ。

 

料理研究家の村上祥子さんが電子レンジを使ったレシピを開発した。
力がいらず、時間も従来の半分以下。少量をスピーディに作れると、お年寄りにも子どもにも人気だ。

 

これまでのパン作りは、こね合わせるのに労力がかかるうえ、発酵の温度調節が難しく、出来上がりまでに時間がかかるなどの難点があった。

 

村上さんは、電子レンジでイースト発酵を促すことを案出した。こね合わせも、温度調節も不要になり、こねて一次発酵させるまでの1時間が5分に短縮された。
2次発酵なども含め、全体で2時間かかっていたのが40分〜50分になった。村上さんが簡単パン作りを模索し始めたのは約20年前。


初めは重曹を加えるなど材料を変えてみたが、おいしくならない。試行錯誤の末に、電子レンジを使うことを思いついた。果実酒作りで電子レンジを使ったら早く作れたからだ。イーストの発酵にもいかせるはずと試したが、思うように早まらない。

 

そこで、生地の水分の割合を増やしてみたところ、発酵の速度が速まり、混ぜ合わすのも楽なった。
従来のパン作りでは、発酵で出たガスを逃がさないために、水分はひかえめにしてある。こねたり、たたいたりの生地作りが重労働なのは、このためで、発酵の速度が遅くなることにもなっている。
電子レンジにかける時間を抑えると、うまく発酵が進むことも分かった。

 

現在、特許申請中だ。レシピを紹介した著書「45分で電子レンジパン」(永岡書店)は昨年10月の刊行以来、20万部の売れ行き。
今年3月には、さらに時間を短縮した「おうちでらくらく40分で焼きたてパン」(ブックマン社)も出した。
4月以降、民放やNHKの料理番組で取り上げられ一気にブレークした。

 

「実地に教えて」の声が相次ぎ、村上さんは全国を飛び回っている。
親子で作って食べられるのが魅力だ。思い通りの形のパンを作れるのも、子どもには楽しい。
「3才の子が手伝ってくれます」「食が細いのに喜んで食べました」といったメールやファックスが寄せられている。高齢者たちには、こね合わせという力仕事がなくなったのが歓迎されているようだ。
足の不自由な女性からは「これで好きなときにパンが食べられます」と感謝の電話があった。

 

 

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